JAPAN MINUTE in Suwa City

3つのストーリーが伝える諏訪の技術

想像を超えるハイレベルなアウトプットが勢揃い!「Lightface」ハッカソン開催レポート

Lightfaceの新しい活用方法を考えるハッカソン、ついに優秀作品が決定!

Lightfaceのハッカソンは大成功!最後にみんなで記念撮影です。

こんにちは。ロフトワークの秋元友彦です。

今回はLightfaceの新しい価値や利用シーンを考える全3日間のハッカソン「Light Hack  “Lightfaceと描く、未来のあかり”」の最終日の模様をお伝えします。

総勢19名のクリエイターで構成された7チームのLightface活用アイデアから、厳正なる審査を経ていよいよ3つの優秀作品が選ばれました。 気になる優秀作品はどんなものだったのでしょうか?ぜひ最後までご覧ください!

最終プレゼンテーション前日から、徹夜での準備作業が続く

朝の光が差し込む渋谷FabCafe MTRLで、最後の作業に没頭するクリエイター

優秀作品が決定するプレゼンテーションの前日2/16(木)は各チームの制作を進めていただくため、朝10時から渋谷FabCafe MTRLを開放しました。念のため夜19時以降も場所を開放し、24時間体制で制作に没頭できる場を用意しておいたところ、なんと半数以上のチームが徹夜で作業をしていました!

最終プレゼンテーションがはじまる翌日2/17(金)15:00まで、各チーム最後のチェックに余念がありません。「いいものを作りたい!」というクリエイターの情熱がひしひしと伝わってきます。

 

さて、そんな各チームの力作を審査していただくのは以下のみなさまです。

戸田正寿

アーティスト

 

1948年福井県生まれ。高島屋宣伝部を経て日本デザインセンター入社。戸田事務所設立。2015年Lightoda(ライトダ)設立。おもな仕事にサントリーローヤル(ランボオ、ガウディ、ファーブル、マーラー篇)、サントリー缶ビール ペンギンズ・バーキャンペーン全般、伊勢丹のファッションキャンペーン全般とロゴマーク、『AERA』表紙アートディレクション、森ビル六本木ヒルズオープンキャンペーン全般などがある。ビエンナーレ、国際広告賞、国際デザイン展などでグランプリ、金賞等を多数受賞。キュレーターとしても活躍し、国内外のさまざまなアーティストを紹介している。自身の作品も、ニューヨーク近代美術館、シカゴアトニウム美術館、ハンブルグ美術館、その他30の美術館でコレクションとして所蔵されている。

矢島 進二

公益財団法人日本デザイン振興会 事業部部長

 

1962年東京・中野生まれ。1985年日本大学法学部新聞学科卒業後、食品・雑貨関連企業を経て、1991年に現職の財団に転職。通商産業省のグッドデザイン賞の時代から現在に至るまで運営業務を担当。東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程(2008年〜)、九州大学芸術工学府(2013年〜)、首都大学東京大学院システムデザイン研究科(2016年〜)で非常勤講師を務める。東京ブランド推進会議委員(2015年〜)。

浜野 京

内閣府 政策参与(クールジャパン戦略担当)

 

徳島市出身、慶応義塾大学文学部、新聞研究所卒業。 ジェトロ(日本貿易振興機構)で、海外市場開拓部長、理事として中堅・中小企業の海外展開を支援。 ジャパンブランド推進委員、東京国際映画祭実行委員、観光立国推進委員など、 クールジャパンの幅広い分野で公職を多数歴任。ミラノ万博日本館担当役員。 海外の展示会主催者、バイヤー、デザイナー等との長年のネットワークを活かし、世界各地で企画展・商談会などを実施するとともに、インバウンドの産業観光、地域創生事業も取り組む。豊富な経験を活かし、企業や業界団体、自治体等のための新たな稼ぐビジネス・プラットフォームの立ち上げや個別企業のハンズオン支援にも携わる。 現在、内閣府では各省庁、異分野・異業種、官民の連携によるクールジャパン戦略を担当。信州大学の理事(経営力強化担当)も務める。

上田 哲也

大日本印刷株式会社 情報イノベーション事業部 C&Iセンター ビジネスイノベーション部

IoTビジネス開発グループ リーダー

 

 

2002年大日本印刷(株)入社。デジタルメディア・コンテンツのユーザエクスペリエンス/インタラクションデザインの企画・開発・制作に従事。各種公共/商業施設の空間をメディアと捉えた様々なソリューション導入を実践。ルーヴル美術館との共同プロジェクト「Louvre - DNP Museum Lab」へ参画、同プロジェクトにおけるインタラクティブ技術の研究・開発を実施。2017年現在、同社の新規事業領域における「IoT、AR/VR、AI」等の新規技術を応用したサービスを開発中。著書に「次世代ヒューマンインタフェース開発最前線」。2013年 ACM SIGGRAPH ASIA Emerging Technologies Committee 等。

審査には参加されませんでしたが、Lightface製造元の株式会社nittohの開発スタッフのみなさん、そして今回のプロジェクトを一緒に推進する諏訪市のみなさんも会場にお越しくださいました。

クリエイターたちの自由な発想が作り出すLightfaceの活用アイデアに、みなさん興味津々です。それでは、各チームの作品を発表順にご紹介していきたいと思います!

作品1:ディスプレイとしてのLightfaceの可能性を広げる「ヒカリ絵」

チーム名:日吉バスターズ

作品名:ヒカリ絵

「日吉バスターズ」は、商品をより良く魅せるディスプレイとしてのLightfaceの新たな可能性を提案してくれました。

日本のお札に使われている「透かし」技術をはじめ、光のあたり具合によって見え方が変わる特殊な印刷技術はすでに多数開発されています。これらの技術を用いた商品パッケージをつくり、Lightfaceの上に陳列することで「手に取るとパッケージデザインが変化する→商品を思わず手にとって見たくなる」ディスプレイが実現できる、というのが日吉バスターズの提案です。

「Lightfaceの総代理店である大日本印刷株式会社さんの多彩な印刷技術、そして、包装事業で培われたノウハウや既存顧客基盤を活かせば新たなビジネス展開も可能だと思います」と事業化に向けた提案まで踏み込んでいる点が印象的なプレゼンテーションでした。

作品2:ギター演奏とLightfaceによる光のインスタレーション「ROCK STAR」

チーム名:ROCK STAR

作品名:ROCK STAR -to the double decade-

音と光によるパフォーマンスが始まると、会場は一気に幻想的な雰囲気に。

作曲家・川瀬さんのチーム「ROCK STAR」は、エレキギターの演奏と同期して明滅する“光のインスタレーション”を提案してくれました。

ギターの演奏音はセンサーによってDMX信号に変換され、Lightfaceを複数枚使用した3層構造の特製パネルを光らせます。演奏にあわせて複雑かつ繊細な明滅を見せるLightfaceは、あっという間に会場内を幻想的な雰囲気に変えてしまいました。

この作品は「ロックミュージシャンが音だけでなく、光を奏でてもいいのではないか?」という発想から生まれたそう。Lightfaceならではの圧倒的に美しい光と軽さによって、光と音の組み合わせを理想に近い形で実現できた自信作とのことです。

 

理論的には他の楽器やカラオケの音声などで明滅させることも可能で、光と音の新しい楽しみ方が広がりそうな作品でした。

 

作品3:窓のない場所に窓をつくろう!IoTインテリアデバイス「Anywhere Window」

チーム名:Light OR

作品名:Anywhere Window

Anywhere Windowはただの照明器具ではなく、インターネットと接続する「IoTインテリアデバイス」

チーム「Light OR」は、インテリアとしてのLightfaceの可能性を広げる「Anywhere Window」という作品を発表してくれました。Anywhere Window=直訳すると「どこでも窓」です。

コンセプトは「窓のない場所に窓をつくる」

インターネット経由で屋外の日照時間、天候情報を取得します


Lightfaceに取り付けられた木製の窓枠は、ちゃんと開閉し、カーテンを取り替えれば部屋の雰囲気を変えることも可能です。

これがあれば、窓のない部屋で長時間作業をする人も時間間隔を失うことはありません。また、ニューヨークなど遠く離れた場所の日照状況を部屋に居ながらにして体感することもできます。音声スピーカーを通じて「海の音」「川のせせらぎ」などを流せば、部屋の雰囲気をがらりと変えることもできるでしょう。

 

Anywhere Windowは、ただの照明器具ではなく、いわば生活に寄り添う「IoTインテリアデバイス」なのです。

作品4:あなたの暮らしに寄り添う光のペット「Light-Pet」

チーム名:ルーメンズ

作品名:Light-Pet

一見するとただの箱に見える「Light-pet」でもこれ、動くんです

チーム「ルーメンズ」の作品「Light-Pet」は、その名の通り“ペットのようなライト”というコンセプトの作品です。Lightfaceを組み込んだキューブ型のロボットが、光と動きによってまるで意志を持ったペットのように動き、生活をサポートしてくれます。今回はコントローラーによる遠隔操作でのデモとなりましたが、「持ち主が真っ暗な廊下を歩く際に自動並走してくれる」「複数台のLight-Petが群れとなってメッセージを伝えてくれる」など、夢のある開発プランが披露されました。

「ルンバはお掃除という機能に特化したロボット、アイボは逆に愛玩に特化したロボットですが、その両方の特性を持ったロボットがあってもいいのでは?」というところから、Light-Petを発想されたそうです。

将来的にはLight-Petの群れがメッセージングをすることも可能?

審査員のみなさんの前を、可愛らしく動き回るLight-Pet


作品5:“Lightface✕いきもの”による異色コラボレーション「Senses of Light」

チーム名:TKHSS

作品名:Senses of Light

「Senses of Light」は、Lightfaceと生物を組み合わせた意欲的なアート作品

チーム「TKHSS」は、Lightfaceと微生物を組み合わせた意欲的なアート作品を発表してくれました。

9つのLightfaceで形成された正方形の上には、薄い水膜が張られた容器があり、その中には光に集まる性質を持ったブラインシュリンプというプランクトンが何百匹も泳いでいます。

上部に取り付けられたカメラが微生物の動きを捉え…

その密集・散在状況によって9つのLightfaceの光の強弱が変化します


「ヒト、プランクトン、機械という、自分とは異なる存在が光を知覚していることを作品から実感してもらえたら嬉しい」という制作チームのコメントを受け、水面をじーっと見守る参加者の風景はなかなか興味深いものでした。

作品6:ワークショップの“体験知”を通じてLightfaceの魅力をアピールする「Loops」

チーム名:Show Kawabata

作品名:Loops

今回の作品は、Lightfaceを使った自宅でのさまざまな実験からヒントを得たとのこと

自ら「実験オタク」と名乗る川端さんは、ワークショップなどのイベントを通じてLightfaceの魅力をアピールしてはどうか?というユニークな提案をしてくれました。

プレゼンテーションに使用したものは、Lightfaceと黒い画用紙、レンズ、台座のみ。Lightfaceを黒い画用紙で覆い、そこから発せられた光をレンズで集め台座に照射すると、幾何学的な光のイメージが映し出されました。

プレゼンテーションに使用した資材はすべて100円ショップで調達し、制作総費用はなんと400円!「このようなワークショップを通じ、『体験知』としてLightfaceを感じてもらえれば、ただの“あかり”としてLightfaceに接するよりも、より強い印象が残ると思います」とのこと。

まるで理科の実験、科学の実験のようなユニークなプレゼンテーションでした。

作品7:光と陰の風情と余韻を楽しむ「闇雲(YAMIKUMO)」

チーム名:アップレンジャー

作品名:闇雲(YAMIKUMO)

和のテイストがこだわりを感じさせる作品「闇雲」

チーム「アップレンジャー」は、光と陰の新しい楽しみ方を提案する“小さな箱”を発表してくれました。

黒い小さな箱の底面にはLightfaceが敷かれており、その上には湾曲する帯状のハーフミラーとコロコロと転がる3つの球体があります。箱を手に持ち球をゆっくり転がすと、真下から照射されるLightfaceの均質な光と不規則に動く球の像がハーフミラーに反射し、繊細な光と陰の像が生み出されます。

「時間を忘れて思わず見入ってしまうオイル時計や観賞用クラゲのように、Lightfaceが作り出す光と陰の風情と余韻を楽しんでほしい」というコンセプトの闇雲。インテリアともアートとも違う、独自のLightface活用方法となりました。

Lightfaceが真下から均質な光で照らすことにより、繊細な陰影が実現します

厳正な審査を経て、いよいよ優秀3作品の発表です!

こうして全7チームのプレゼンテーションが終わり、別室にて審査員のみなさんによる厳正な審査が行われました。どのチームも力作揃いで3作品を選ぶのは非常に難しかったとのことでしたが、今回下記3作品が優秀作品に選ばれました!

➢ 優秀作品1

チーム名:ROCK STAR

作品名:ROCK STAR -to the double decade-

選考理由

「この作品は、小さなお子さんでも楽しめるわかりやすさがあり、ライブなど音楽ビジネスにも活用できる余地が十分にあります。作品ではLightfaceを3層構造にしていましたが、1層でも十分にキレイな光を放つので商品化もしやすいと思います。アイデアの汎用性と広がりを評価し、優秀作品に選定させていただきました」(浜野京さん)。

➢ 優秀作品2

チーム名:日吉バスターズ

作品名:ヒカリ絵

選考理由

「Lightfaceの特長は、ムラのない均質な光によって対象物の美しさをより一層引き出すところにあります。『ヒカリ絵』はその特長を応用し、光に照らされた対象物を美しく見せるだけでなく、見え方自体を変えてしまうというヒントを与えてくれました。このアイデアは商品パッケージだけでなく、今後DNPで行っていくLightfaceビジネス全般に広く応用できるものでした。さらなる発展のヒントを提示してくれた点を評価し、優秀作品に選ばせていただきました」(上田哲也さん)

➢ 優秀作品3

チーム名:Light OR

作品名:Anywhere Window

選考理由

「今回の選考には3つの選考基準がありました。それは、1:Lightfaceの特長・特性を活かしているか、2:未来の暮らしを想起させるものか、3:今までにない新しい提案がされているか、といものです。この3つの観点から、審査員が満場一致で選んだのが『Anywhere Window』でした」。

 

「Lightfaceの薄さや自然光に近い演色性を活かした“窓”という発想の素晴らしさ、インターネット経由で外界の情報を室内にもたらすIoTデバイスとしての可能性、さらに付け替えできるカーテンのオプションを用意することでインテリアとしての楽しみ方まで考えられていました。非常にリアリティのある提案内容で、さまざまな可能性を想起させる魅力的な作品だったと思います」(コメント:矢島進二さん)。

 

優秀作品賞を受賞されたみなさん、本当におめでとうございます!今回表彰された3作品は2017年3月1日(水)~5日(日)に渋谷ヒカリエで開催される JAPAN BRAND FESTIVALの諏訪デザインプロジェクト展示ブースの中で展示されました。

延べ3日間によるハッカソン終了

ロフトワーク秋元と、株式会社nittoh春日教宏さん

全3日間のハッカソンは、Lightfaceの製造元・株式会社nittoh 春日さんからの挨拶で締めくくられました。

 

「クリエイターのみなさんの自由な発想に、今日はとても刺激を受けました。しかも、Lightfaceの新しい可能性を引き出すため夜を徹して作業をしてくれた方がこんなにいると知り、製造元として大変感激しています」。

 

「Light Hack  “Lightfaceと描く、未来のあかり”」は、参加7チームがすべて高いクオリティの作品を生み出すという大変充実したハッカソンとなりました。