JAPAN MINUTE in Suwa City

3つのストーリーが伝える諏訪の技術

自社の見せ方をガラリと変える可能性を持ったプロトタイプ「バネばかり」完成!

写真左から:株式会社ミクロ発條 小林伴行さん、小島拓也さん、有限会社バッタ☆ネイション岩沢仁

こんにちは。有限会社バッタ☆ネイションの岩沢仁です。

 

前回記事から少し間隔が空いてしまいましたが、昨年末から現在にかけて、ミクロ発條さんの超微細バネをアピールするプロトタイプ開発に継続して取り組んでいました。

今回はいよいよ、試行錯誤の末に完成したプロトタイプをご紹介したいと思います!

目を凝らすと超微細バネがびっしり!誰もが驚愕する「バネばかり」

こちらが完成したプロトタイプ、その名も「バネばかり」です!

一見するとただのものさしなのですが、手にとってよーく目を凝らしてみると……。

目盛りの部分がすべて超微細バネでできているのです!

 

このバネばかりは、前回記事でお伝えした「ゾートロープ」のサブ案でしたが、ミクロ発條さんが作った試作が想像以上だったため、急遽、こちらのバネばかりをメインに採用することにしました。

プロジェクトの残り時間が少ない中での方針転換にもかかわらず、ミクロ発條さんの技術の高さを体現するためには間違いのない判断だったと思っています。それを、具現化してくれたミクロ発條さんの技術力に改めて驚くばかりでした。

 

プロジェクトの総括として、ここに至るまでの取り組みをミクロ発條さんと対談形式で振り返ってみたいと思います。

“ものさし”という見た目とのギャップが大きければ大きいほど人の印象には強く残る

岩沢:バネばかりのプロトタイプが完成しました。率直な感想を聞かせてください。

 

株式会社ミクロ発條  小島拓也さん:僕らが実現したかったことって、ものすごく小さなバネを驚きがある形で、しかも綺麗に見せることだったんです。イメージでいうと“標本”とか“宝飾品の展示”に近いもの。それがものさしという形で具現化できて、すごく良かったなと思っています。

たとえば商談の席で「これ、うちが作ったものさしです。いくらだと思います?」「100円くらい?」「いや、5万円なんです」と言ったらみんな必ず驚きますよね。なんでそんなに高いの?と思ってよーく見たら目盛りが全部超微細バネという。えー!凄い!みたいな(笑)。

 

ギャップが大きければ大きいほど人の印象には強く残るので、これはものすごく気に入ってます。ゾートロープからの方針転換だったので製作は大変でしたけど、結果的に形になってよかったです。

「バネばかり」の完成で、自社製品の見せ方が大きく変わりそう

岩沢:バネばかりができたことで、ミクロ発條さんの技術や製品の見せ方は変わりそうですか?

 

小島さん:結構変わると思いますよ。実はね、商談の場ではもう使ってるんです。微細バネってお客さんのところに持参して見せるのって結構大変なんですよ。でも、バネばかりを胸ポケットからサッと取り出して「これ全部バネなんです」といってルーペで見せるとすごく伝わりやすい。

だから、次の展示会からうちのブースの見せ方はかなり変わると思います。今はまだ製作途中ですけど、ゾートロープが完成したらこのバネばかりとあわせて展示したいと考えています。

 

岩沢:他のブースが工業製品や部品を並べているところに、ミクロ発條さんがものさしをズラーッと並べていたら面白いですね。あれ?文房具屋さん?みたいな(笑)。

 

小島さん:そうですね。「あの会社はいったい何屋さんなんだろう?」と興味をそそるぐらいがちょうどいいかもしれないですね。

自分たちとまるっきり発想が違うデザイナーとの共創は楽しかった

岩沢:ミクロ発條さんは、僕のようなデザイナーと一緒に仕事をすることは今までありましたか?

 

小島さん:ありますけど、広告や製品カタログを作るときぐらいですね。製品の良さやスペックを自社視点で考えて、それをデザイナーさんに形にしてもらうことがほとんどです。今回は発想の段階から岩沢さんにお任せしたので、自分たちでは絶対に出てこないアイデアがたくさん出てきた。そこが驚きでした。

 

株式会社ミクロ発條  小林伴行さん:僕も社長と同意見ですね。最初の打ち合わせでみなさんが私服で来たっていうところにまず驚いて(笑)。まったく違う文化、人種の人たちと同じ方向を目指して仕事をするというのは楽しい経験でした。

 

小島さん:僕らは工業系だから、どうしても「バネを作る技術をどう見せるか?」という方向に考えが向かうんだけど、岩沢さんの場合「バネを面白く見せるにはどうしたらいいか?」というところからスタートする。だから、バネが自分でピョンピョン跳ねたり形を変えたりとかそういう表現になる。

もう発想がまるっきり違いましたよね。打ち合わせではいつもとは全然違う脳が働いていました(笑)。楽しかったです。

「バネばかり」の製品化に向けて、さらに進んでいきたい

岩沢:今回はゾートロープの完成を目指す中で苦戦をしていて、そんな時ミクロ発條さんからバネばかりの試作を送っていただいて、一気に考えが変わったんです。

自分がイチオシしていたゾートロープを途中で取り下げるのは心苦しかったんですが……。本当にすみません。

 

小島さん:でも今回は難しかったと思いますよ。バネのような小さな部品、要は脇役を主役にした何かをまったくのゼロから生み出すわけですから。

ただ、この試作がもう少し早い段階で完成していれば、もっといろんなバリエーションのバネばかりができたかなとは思いますね。

 

小林さん:確かに、バネばかりで行くという判断をしてから完成まで1か月しか製作期間がなかったので、間に合わせることを最優先にして作っていましたね。もう少し時間があったら、ものづくり企業としてもっと細部にこだわったものを作りたかったです。

でも個人的には、みんなでバネばかりを作っている時は楽しかったです。ものさしの目盛りの溝に微細バネを1つづつ置いていくんですけど、社長が意外にも作業が早かった(笑)。

小島さん:今後、これをどうやってプロダクトにしていくかが僕らの目指すゴールなので、この先はものさし製造に専門性を持ったメーカーさんと組むとかプロジェクトチームの編成も考えながら、本当の完成に向けて進んでいきたいと思います。目標は10月の工業メッセにできるといいですね!

 

岩沢:最終的に喜んでいただけるものができて本当に良かったです。引き続き、完成に向けてよろしくお願いします!